飛行場航空灯火監視制御システムで空港の安心・安全に貢献

開発担当者の矜持②

開発担当者の矜持② 社員写真

社会インフラ事業部
社会インフラエンジニアリング部
官公施設設計グループ
副参事

ヒューマンエラーを防止する先進のシステムにもチャレンジ

従来の灯火監視制御システムが、管制官の操作によって制御されていたのに対して、現在はより先進的なシステムとして、管制官の操作なしに制御が可能な「停止線灯システム」や「滑走路状態表示灯システム」が登場してきました。停止線灯システム(STBL:Stop Bar Light Control System)は、空港の視界が悪い状況で使用されるもので、航空機が誘導路から滑走路に入る際に、灯火を用いて視覚的に停止/進入の指示を与えるものです。このシステムの特徴は、滑走路や誘導路に設置したセンサーが航空機を検知すると、誤進入がないように灯火を自動制御する点。滑走路上で航空機同士が衝突する事故を未然に防ぎ、運用中の滑走路を防護します。ベテランのプログラム開発担当者達はこれらの1号機から開発にあたり、他社にはできない得意分野へと育ててきました。

停止線灯システム(STBL)の図

「このソフトを作る際に苦慮するのが、空港によって運用の形態が異なること。それに合わせて安全を考慮し、灯火の制御条件を設計しなければなりません。また、現地で起こり得るさまざまな条件を検証して、プログラムの組み方を変えて対応していきます。そして、現地で運用とソフトが合致しているかどうかを見て、システムが安定するように調整し、その動きを次にも活かすことが重要です」

滑走路状態表示灯システム(RWSL:Runway Status Lights System)は、管制官の操作なしに灯火を制御するシステムです。発着時や出発時など航空機の位置情報をレーダーで検知し、パイロットに警告する灯火を点消灯させます。管制官のスイッチ操作が不要なので、ヒューマンエラーを防止して安全を維持することができます。

「RWSLはソフトで自動制御していますが、灯火や電源設備が故障した時、灯火を維持するか消灯するか、事前に安全を第一にしたシステムを考慮して、設計する必要があります。その点はそれぞれの空港の仕様に合わせて作り、現地で調整していきます。2010年に1号機を入れて開発を重ねるごとに改良し、より安全なものができてきた自負があります」

いま刻々と進化を続ける空港。滑走路や誘導路が増えると、制御や監視の対象が増えてシステムが複雑化し、設計の難易度も上がります。

「設計が適切かどうか、お客様のリクエストに合っているかどうかを検討するのは苦労しますが、担当レベルで判断して、自分で決められる部分も多いので楽しいです。自分が設計してそれが現地で問題なく運用されていると、良かったという充実感は何物にも代えられません。これからも新しいものに挑戦していきたいと考えています」

滑走路状態表示灯システム(RWSL)の図

滑走路状態表示灯システム(RWSL)

  • THL : 離陸待機灯(Takeoff Hold Lights)
  • REL : 滑走路入口灯(Runway Entrance Lights)
滑走路状態表示灯システム(RWSL)が作動している様子の写真

滑走路状態表示灯システム(RWSL)が作動している様子

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