お客様の思いを、プラントや設備という「カタチ」にする技術者たち

小・中規模案件の経験を経て大型プロジェクトの所長へ

小・中規模案件の経験を経て大型プロジェクトの所長へ 社員写真

産業システム事業部
施設建設部
施設施工グループ
半導体工場建設作業所長

世界的に注目され、需要が高まるNAND型フラッシュメモリー。その国内製造を行う半導体工場の建設現場で、約2000人の社員・作業員を束ねているのは入社11年目の女性所長です。昨今、女性の技術者も増え、東芝プラントシステムにも多くの女性技術者が在席しており、彼女もそのひとりです。

「東芝プラントシステムは「男性」だから「女性」だからという区別はなく、あるのはお互いへの敬意です。性別に関係なく仕事への誇りをもち、男性らしい包容力、女性らしい細かな配慮など、それぞれの特性を活かしながら、皆で助け合い仕事をしています」と話します。社内でも注目される大規模プロジェクトの重責を担いながら、その軽やかなフットワークで期待に応え、予算や工程、人員管理などに日々奮闘しています。

建設会社で施工管理の仕事に従事し、図面を描き現場に立つ父親の姿を見て、自らも同じ職種を目指し、設計から施工まで対応する会社として東芝プラントシステムを選びました。

「入社して最初に担当したのは、オフィスビル内のサーバー室から事務所にレイアウト変更する工事でした。ひとくちに電気設備といっても、照明やコンセント、非常用照明や誘導灯、煙感知器などの消防設備もあります。それぞれの取り付けルールと施工要領を勉強し、先輩方にチェックしていただきながら図面を描きました。苦労しながらも工期内にお客様の希望通りのレイアウトに仕上げることができ、大きなやりがいを感じました」。

若手のころには失敗もありました。「作業者への指示が私と先輩で異なり、混乱させてしまい、『どっちが正しいの?』と怒られたこともありました。自分の勉強不足を反省すると同時に、正確な情報を正しく伝えることの重要性を学びました」。失敗から学ぶ真摯な姿勢が、所長になったいま、多くの人に受け入れられている理由かもしれません。

小・中規模の工事案件を数年経験し、「いずれは大型物件にも携わってみたい」と上司に相談したところ、三重県にある半導体工場の新築電気設備工事を担当するチャンスが巡ってきました。

「それまで担当してきた案件に比べ、規模や工事内容も異なるため、自分が役に立てるかという不安もあり、最初のうちは、邪魔にならないようにと遠慮がちにしていました。しかし、2~3カ月を過ぎたころ、搬送設備に関わる工事の責任者という役割を任されました」。

建設工事全体のなかの一部分とはいえ、「それまでに担当した工事の数倍も規模も金額も大きく、緊張もありましたが、完工するまでその現場で見届けることができ、無事にやり遂げたことと、メンバーの一員として認めてもらえたようで嬉しかったです」と話します。そしてこの経験を経て、大型案件を本格的に担当するようになりました。

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今の現場に着任した当初は、ポンプなどの付帯設備の電源工事を担当していました。他にも受変電設備工事、動力設備工事などを行う電気部隊と、機械の据え付けや試運転を行う建築部隊がいて、さらには多くの協力会社の方たちも関わり、一緒に作り上げていきますが、「その規模の大きさに驚きつつ、いくつもの枝葉が大樹の幹に集まるように一体として工場が機能する姿をみたときは、とても感動的でした」と話します。

更地から工場の建築が始まり、「何もない広大な敷地に基礎や鉄骨が建ち、壁や床を貼り、盤や設備を取り付け、ケーブルや配管をつなげて電気を通し、設置された機器を試運転する。まるで生き物が生まれるかのようにプラントが立ち上がり現れてくるようすは壮観です」。ひとつの工場が完成するまでの工程をゼロからつぶさに見て、そこに携わった経験が、若手技術者に自信と成長をもたらしました。

大型プロジェクトには多くの会社や人間が関わり、それぞれの都合や主張もあるため、それぞれの事情を聞きながら調整が必要です。ときには自分よりも年上で経験豊富なベテランを相手に仕事を指示しなければならない場面もあります。以前失敗した経験を活かし、正確な情報、正しい指示が出せるように、早め早めに詳細を詰めるようにしています。それでも図面には書かれていない箇所や不明点が生じる場合があり、「困っている」という連絡があれば、直接その場に足を運んで自分の目で確認し、顔を見ながら解決策を考え、新たな指示を出すように心がけていると言います。

「現場にはまだ女性が少ないこともあり、顔や名前を覚えてもらいやすいというのは利点でもあります。他の現場でも一緒になったことのある方から声を掛けてもらったり、話を聞いてもらえたりすると、『認めてもらえるようになったかな』とうれしい気持ちになります」。そんなコミュニケーション力や数々の経験を見込まれ、半年ほど前から所長に就任し、現場全体を管理する立場となりました。

「所長になって驚いたことは業務量の多さです。学ぶことに追い立てられ、自分自身の将来のキャリアプランを考える余裕はあまりありません」といいますが、同世代や中堅クラスの世代が少ないこともあり、若手技術者の育成や本社と現場の情報交換、働きやすい現場環境づくりなど、さまざまな関心を寄せています。

「人として信頼を得る基本は挨拶」。

関わり合う人たちとお互いに「敬意」を持ち、チーム一丸となって、完成に向けて全力投球しています。

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