元請けとして原子力関連施設の消火設備工事に挑む
日本原燃株式会社様主排気筒管理建屋固定式消火設備工事
EPCCの総合力を結集しプロジェクトを完遂

原子力事業部
原子力関連施設元請工事
東芝プラントシステムでは、これまで多くの原子力関連施設で、電気工事業としてさまざまな設備工事を手がけ、高度な技術力を発揮して数々の実績を積んできました。その多くは東芝が元請けとなった工事で、東芝プラントシステムは機能分担会社として工事を請け負うケースがほとんどでした。しかし、今回紹介する「主排気筒管理建屋固定式消火設備」の工事では、当社が元請けとなる自販案件として、EPCC(設計・調達・施工・試運転)のすべての工程を受託。自社が保有する高い技術力を結集して、無事にプロジェクトを完遂しました。
その舞台となったのは、日本原燃株式会社様が青森県六ケ所村に建設を進めている使用済燃料の再処理工場です。原子力発電所で使い終えた燃料から、ウランやプルトニウムなどを取り出して、再利用ができるように加工する「原子燃料サイクル」。再処理工場はそのサイクルの中核となる施設です。こうした原子力関連施設では、地震、台風、火災などのあらゆる災害リスクに対して、予め万全の対応ができるようにしなければなりません。その一つとして想定されているのが、施設内にある電機・電子機器類の火災リスクです。東芝プラントシステムでは、原子力規制委員会が定めた新規制基準への対応として、火災防護へのニーズが高まることを想定し、消防施設工事業の許可を取得していました。
広大な敷地に数多くの建屋が点在するなかで、重要な施設の一つである「主排気筒管理建屋」の火災対策として、固定式消火設備の設置工事が行われることが決まり、消防施設工事業許可を取得し、各種工事での実績も多い東芝プラントシステムが、日本原燃株式会社様から直接工事を請け負うことになりました。
今回の工事では、火災を感知すると建屋内に消火ガス(ハロゲン化物)を充満させて消火する方式を採用しています。水ではなくガスを使用する理由としては、震災後に規制強化された法令により消火が困難なところについては新たに自動起動による固定式消火設備の設置が要求されており、今回の該当エリアは電気品室で消火後の水による汚損を回避したかったことから、消火能力が高く、且つ、万一誤放出しても人体に影響が無い、ハロゲン化物を選定しています。
お客様からの要求仕様を実現するために、各技術領域の専門技術者のナレッジとスキルを結集し、その全体のシステムを構想する系統設計に始まり、制御盤やガスボンベの設置、電気、計装、配管、空調などの設計・工事、品質管理、試運転までを一貫して行いました。東芝プラントシステムがもつ構想力や技術力をいかんなく発揮し、会社の新しい未来を切り拓くプロジェクトについてご紹介します。
- このコンテンツは、2024年に取材・製作しました。