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タンザニア連合共和国 ダルエスサラーム州

キネレジ 天然ガス焚き複合サイクル火力発電所建設プロジェクト

発電システム:電力プラント(火力)

  • 天然ガス焚き複合サイクル火力発電所
  • 総出力240MW
天然ガス焚き複合サイクル火力発電所

Chapter 2.

拠点の開設から始まった、ゼロからスタートのプロジェクト

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当社初となる、サブサハラ・アフリカにおける現地工事込みの案件。受注に際し、プロポーザルマネージャーとともに現地でお客様と直接、折衝に当たったのが、海外営業部 海外営業第二グループの担当者(以下営業担当)です。 プロポーザルマネージャーが見積もりの責任者であるのに対し、お客様との交渉の窓口となり、お客様と当社技術者の橋渡しをするのが営業担当の役割です。

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営業担当

「入社して9年になりますが、当初から営業という立場で、東南アジアを中心に海外での業務に従事してきました。アフリカ担当になったのは本案件が初めてですが、私は学生時代、発展途上国の開発をテーマにした研究に取り組んでいました。 その対象がアフリカだったため、学生時代の学びが生きる現場に赴任できたことに、非常にやりがいを感じました」。

ただし、初めてづくしのプロジェクトでは、すべてがゼロからのスタート。いままでにない新たなアプローチも必要でした。

営業担当

「これまで担当した発電所案件では、まず仕様書があり、お客様の発電所運転要領の構想等があって…というところから始まります。しかし今回はそうしたものがなく、お客様といっしょに仕様書を構築していく方法で進めることとなりました。 たとえばどのような機器や建屋をどのように配置すべきか、健全な発電所運転の為にはどのようなものを準備しておかなければならないかなどを一つひとつご説明し、それに対するご要望を元に修正案を作成し、再度ご説明するというような形で少しずつ仕様を固めていきました。」

新天地での案件だけに、他国では経験したことのない業務にも携わることになりました。

営業担当

「工事を行う本案件では、プロジェクトが始まるまでに現地事務所を開設する必要がありました。開設に当たっては、場所探しに始まり、登記や会計事務所との契約、さらには現地スタッフのリクルートも行いました。弊社にとってタンザニアは初めての国だったので、 何が必要でどういう手続きをすべきか、 それには何日かかるのかなど、わからないことだらけです。タンザニアの人は時間に対する感覚が非常にゆったりしていて、手続きを行う役所によってはパソコンを使わず手作業で処理するところもあったので、 着工までに間に合わないのではないかとハラハラしました。一日税務署の担当官に張りついて、書類の回送を促したこともありました」。

一連の業務に要した期間は約5カ月。その間ほぼ1人でタンザニアに駐留し、奮闘した営業担当ですが、本社からの支援が力になりました

営業担当

「タンザニアと日本の時差は約6時間。インターネットも電話も通じるので、日本の管理部門のスタッフともスムーズに連携でき、適宜アドバイスをいただきながら、無事、現地事務所を開設することができました」。

晴れて受注した後も、月1回のペースで現地に通いながら、技術的なスペックを固めていった営業担当。困難が生じる局面も多々ありましたが、当社のエンジニアリングが生きた場面を実感した仕事には、いいしれぬ達成感がありました。 現在はタンザニアを離れ、東南アジアで新たなプロジェクトに従事していますが、アフリカに対する思いはいまも強いと言います。

営業担当

「タンザニアの人は穏やかでまじめ、ビジネスにおいても人と人との関係を大切にするなど日本の商習慣に近い部分があります。また、安全・衛生状況も比較的良く、衣食住も最低限は揃っているので、日本企業にとって進出し易い国だと思います。 ビジネス、住環境の面で難がある国が多いアフリカにおいて、それらが比較的良好なタンザニアで案件を受注する事ができたのは非常に幸運だったと思いますし、当社のアフリカでの事業拡大の出発点として意義のあるプロジェクトだと感じています。 私自身、今回の経験を生かし、今後もアフリカの新規案件に積極的に関わっていきたいと思っています」。

受注までに難航した案件ですが、現在、プロジェクトマネージャーの先導のもとで社内一丸となり、スケジュールには大幅な遅れもなく、工事は順調に進行しています。同型案件の履行経験が豊富な当社ですが、初めてづくしの本案件では、 今後、燃料や水の供給、送電、それらの許認可といった、 当社の担当以外の部分でも、さまざまなリスクを孕んでおり、工事本体に影響が出ることが懸念されます。それでも「タンザニアの人々のインフラを担う」という使命感と誇りを持ちながら、 プロジェクトに関わるすべてのメンバーが、 安全第一にこの大型プロジェクトに挑んでいます。

  • このコンテンツは、2017年に取材・製作しました。

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