社員紹介
カーボンソリューション事業部
CS電気技術部
電気技術第二グループ
複雑でさまざまな条件のなかから正解を導き出す
「プラントエンジニアリング」という仕事
設計担当(電気設備) #09
2018年入社
専攻:工学部電気電子工学
同じ「電気」でも畑違いの分野から運命?の入社
電気は、電圧によって「強電」と「弱電」の2種類があり、私たちが普段使っているエネルギーとしての電気が「強電」、電話やインターネットなどの電気信号として使うものが「弱電」です。私が学生時代に研究していたのは「弱電」だったので、「強電」にかかわる会社に入社するとは全く思っていなかったのですが、同じ研究室だった先輩からプラントの生産ラインの設計をしているという話を聞いて、「プラントエンジニアリング」という仕事を知り、興味を持ちました。調べていくと、プラントといってもさまざまな種類があり、何か(製品)を作るための工場(プラント)を作るのは面白そうだと感じ、とくに発電所は生活に欠かせない「価値のある仕事」だとの思いに至りました。なかでも、東芝プラントシステムは発電所建設の実績も多く、一般の人が入れない場所で仕事をするのは楽しそうだと、未知の世界に飛び込む気持ちで入社しました。
実は、入社してから祖父に仕事内容を説明したところ、「俺と同じような仕事をしているのだな」と言われて驚きました。祖父もエンジニアだったことは知っていましたが、かつては原子力発電所の建設に携わっていたそうで、血筋なのか、運命の導きなのか?とも感じています。
発電所は1つとして同じものはないオーダーメイド
私が担当しているのは火力発電所の基本設計です。具体的には発電機や変圧機などの主要設備を配置し、それぞれをケーブルや導体などでつないで1つの発電所として構築していきます。お客様の仕様や要望に沿いながら計算し、安全性や効率なども加味して最適な答えを見つけ、設計していきます。
発電所は気温や地形などの環境要因やお客様の考え方や運用方法などが1つずつ異なるので、すべてオーダーメイドです。そのため、設計や構成部品などもその発電所専用にオーダーメイドで作っていくことになります。
「発電所」という目的は同じでも、その条件やファクターが異なれば、まったく別ものなので、複雑で多種多様な要因が関わりあうなかで正解を探しだすのはとても難しいですが、答えにたどり着き、こうしよう!と決めて進めていくことができるのが設計者の面白さであり、醍醐味でもあります。
自分が作成した結線図という電気の流れを網羅した図面が発電所建設の基本となり、お客様をはじめ、社内の調達や施工部門、試験・試運転など他のパートを受け持つ部門や他の設備に関わるメーカーなども、この結線図を頼りに仕事を進めていくことになります。もしここでミスがあると全体に影響してしまうため責任重大で、正解にたどり着くまでの生みの苦しみも大きいのですが、だからこそ一生懸命に考え抜き、答えを見つけたときの達成感は大きいです。
誠実に対応し、お客様とともに地熱発電所を作る
現在担当しているのは「わいた地熱第2地熱発電所」(熊本県)という地熱資源(簡単なイメージで言うと温泉の蒸気)を利用した発電所で、まもなく完成する予定※です。
当社が建設する発電所は、1基で何十万kWという発電量の電力会社向けの発電設備や、工場など電気を作る10万kW級の発電設備などが中心ですが、この地熱発電所は発電量が5,000kWと非常に小型です。規模の大きさにかかわらず建設に必要な工程は同じなのですが、工期が約2年と短期間で完成させなければならなかったため、プロジェクトのスタートから一気にアクセルを踏んで進めてきました。地域共生型の地熱発電所で、地域住民の方たちによって設立された会社がお客様ということもあり、難しいことから簡単なことまでいろいろな質問をされるのですが、専門家でなくても理解できるように丁寧な説明を心がけてきました。そのなかで、建設途中にあるトラブルが発生し、お客様に説明とお詫びをしなければならない状況になったのですが、お客様から「全面的に信頼していますから大丈夫ですよ」と言っていただき、スムーズにリカバリーすることができました。トラブルは起きてほしくないですが、お客様からの言葉が非常に嬉しく、誠実に対応してきたことが報われて、自分の自信にもつながりました。 ※2026年3月に無事完成、引き渡し完了。
事業部初の「コンテナ発電所」へのチャレンジ
この地熱発電所では、規模が小さいことを活かして、「発電所」という建物を作るのではなく、倉庫などとして使われているアルミ製コンテナを転用しています。建物を建設するとなれば、土木工事、建築工事が必要で、何億円も費用が必要になりますが、コンテナであれば、基礎を作り、電気設備や制御設備を設置したコンテナを置くことで、工期や費用も抑えることができます。弊社として「地熱発電所の標準化」という目的もあり、コストも抑えて建設する方法を模索するなかで事例を見つけ、「これだ!」と、さっそく調査を開始。これは事業部でも初めての試みで、ノウハウもないなかで試行錯誤を繰り返し、電気設備と制御設備をそれぞれ2台のコンテナに収めて運用するという方法をとることになりました。
ところが、発電所の場所が、阿蘇の険しい山のさらに奥にあり、たどり着くまでの道が狭く、完成品状態でコンテナを運ぶことができないことがわかり、大ピンチ。大急ぎで代替手段や解決方法を模索し、コンテナメーカーなどとも相談して、当初考えていた完成品状態での輸送ではなく、コンテナを切断し2分割して輸送する方法にたどり着きました。現地で再度連結させる必要があり、難易度は高くなりましたが、無事に連結し、完成させることができました。
新しいチャレンジで非常に苦労はしましたが、「地熱発電所の標準化」に近づくことができたと自負しています。また会社としても1つの実績ができたことは、今後の事業展開にも役立てられるのではないかと思っています。
学生へのメッセージ
わからないことや困ったことがあったとき、答えにたどり着く方法はいろいろありますが、知っている人に聞くことも近道のひとつです。社内にはさまざまな経験を積んだ先輩たちがたくさんおり、だれでも親切に教えてくれるので、ひとりで悩む必要はありません。私も、他の事業部の先輩に相談したことをきっかけに、地熱発電所にコンテナを使うアイデアを実現することができました。
もちろん文献などで調べた知識も大切です。それを基礎として、実際にプラントを作った先輩たちのリアルな経験や生の情報を教えてもらうことで成長し、一人前のエンジニアに近づくことができると思っています。
「下積み」というとイメージがよくないかもしれませんが、それも大切な期間だと思って、1~2年目は先輩に言われるままにがむしゃらに頑張ってみてほしいと思います。