産業システム事業部
系統・変電フィールドサービス部 系統制御グループ
電気を安定供給するための品質を確保する仕事
品質試験のプロとして頼られる存在になりたい。
試験・試運転調整担当 #01
2016年入社
大学院修了（専攻：電気・電子工学）
システムへの理解と構想力が求められる仕事
全国の各電力会社には、電気を安定的に供給するために、発電所や変電所、送配電設備などの電力系統を総合的に運用する中央給電指令所という施設があります。
私が試験を担当しているのは、電力の需給を予測し、最適な発電量を制御するとともに発変電所の状態をリアルタイムで監視する給電自動化システムです。これは中央給電指令所の中枢を担うもので、システムの改良や更新を行った際に、お客様である電力会社の仕様通りに動作するかどうか試験を実施し、品質確保を行う業務です。
どのような試験をすればシステム品質を確保できるかを検討し、試験項目をリストアップするとともに、試験実施計画を立てて試験を行います。さらに、お客様の立会試験を実施して問題がないことを確認した後、稼働中のシステムに組み込んでいきます。試験は、発電量を調整するための様々なソフトウェア機能の確認試験や、システムで使用している数百本に及ぶ通信ケーブルを、一本ずつ抜き差しし、故障アラームをシステムとして漏れなく検出するかを検証するハードウェア確認試験など多種・多様です。どのような試験が必要かを考えて試験計画を立案するには、システム全体の理解と試験内容の構想力が求められます。
初めて任された試験は、画面オペレーションの確認です。仕様通りのオペレーションで画面が正しく表示されるかを確認するシンプルな作業。ところが、オペレーションの入り口となるメニュー画面の出し方さえわからず、そこから調べることからスタートしました。試験自体は回を重ねるごとに、自分で目標を決めてスピードアップを図るなど、楽しみながら取り組める工夫をしています。
お客様の何気ない一言で思わず泣きそうに
システムの客先立会試験では、私たちがお客様に対して口頭で内容を説明しながら試験を行っていきます。私は人前で話すのが苦手。そこでお客様に説明する内容をしっかり思い出せるように、事前に文書化して時間をかけてリハーサルを行いました。その甲斐もあって、立会試験終了後の報告会で、自分が担当した部分について「問題ない」というお客様の何気ない一言を聞いた時には、ホッとしたのとうれしさとで思わず泣きそうになりました。
さらに緊張したのが、初めてシステムの現地試運転に参加したときでした。稼働しているシステムのプログラムを変更し、正常動作する事を確認する非常に重要な試験で、ひとたびトラブルを発生させると大規模な停電に繋がり、社会に与える影響は計り知れません。先輩が周囲と的確にコミュニケーションをとりながら、テキパキと指示を出して作業を行う中、私はそのスピードについていけず、思い通りに役割を果たすことができませんでした。「初めての試運転は誰でも緊張するものだよ」と慰められましたが、とても悔しい思いをしました。次回は絶対にリベンジを果たしたいと思っています。
新人研修を通じて自分の新しい適性を発見
目に見えないソフトウェアの試験内容を、お客様が理解しやすいように視覚化できないか。そう考えて、ソフトウェアの自動計算の計算過程が目で追えるツールを作成し「見える化」するなど、業務を遂行するうえでいろいろな工夫をして、お客様からも好評を得ています。しかし、現在はまだ試験業務の入り口に立ったばかり。今後はお客様に最適なシステムを納めるという、ゴールに至るまでのプロセスを自分で構築することや、適切な試験内容を立案できるようになりたいと思います。また、システム構築に使われるプログラミング言語の知識も深めていきたいと考えています。
東芝プラントシステムは社名通り、多種多様なプラントづくりを最初から最後まで手がけて、多くの実績がある点に魅力を感じました。幅広い仕事があるなかで、私が入社前に興味があったのが設計業務。ところが、新人研修を通じて試験や試運転を体験してみて、それまで自分では考えたことがなかった自分自身の適性を発見することができました。試験担当というお客様に近い場所で、頼られながら仕事ができることに、いま大きなやりがいを感じています。今後、「任せておけば大丈夫」と言われるような存在になっていきたいですね。
学生へのメッセージ
学生時代には、勉強や研究に限らず、遊びでもサークルでもアルバイトでもよいので、何か一つのことを突き詰める経験をすることがとても大事だと思います。何か一つに打ち込んだ実績があれば、自分自身にとって大きな自信になります。そして、プロフェッショナルとして業務を極めていくための原動力になると思います。