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産業分野のプロフェッショナル集団

プラントを「完成」させるラストマンたち

産業システム事業部
現地試験・試運転・調整業務

    地道な試験を積み重ねて地図に残る仕事へ

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    産業フィールドサービス部
    産業メンテナンスサービスグループ
    再生可能エネルギー(太陽光発電設備)担当

「東芝プラントシステムは色々な再生可能エネルギーに関わる事業を行っていますが、なかでもメガソーラーをはじめとする太陽光発電設備は、電気設計・工事設計・施工から試験・試運転調整業務、メンテナンスまですべて行っており、数多くの実績があります。私はちょうど当社が本格的にこの分野へ力を入れ始めた時期に、試験・試運転調整業務を担当するグループに配属されました。試験のプランニングに始まり、機器を動かす前の健全性の確認や、動かした後の運転時の計測、お客様へのオペレーションのトレーニング、経済産業省に対する検査した記録の確認も行う安全管理審査への対応など、業務の幅はとても広いです」。
太陽光発電設備の試験・試運転調整業務は、設備がどのような仕様で組まれているのかを確認するところからスタートし、太陽光パネルの電圧測定をはじめ数十項目に及ぶ試験や調整を行っていきます。メガソーラーと呼ばれる施設ではパネルの数が10万枚から数10万枚に及び、敷地面積が野球スタジアム数個分といった広さになるものがあり、使われなくなったゴルフ場を再利用するケースなどもあります。規模が大きいだけに、工事に2年ほど、試験に半年程度かかるものも少なくありません。また、メガソーラーの建設も自然を相手にする側面があり、天候などによって土木や建設工事のスケジュールが遅れれば、後工程である試験・試運転調整業務にも大きく影響するので、工事全体を見ながら業務を進めていく必要があります。

「試験・試運転調整業務を実施する上で大変なところは、技術面でいろいろな分野にまたがる幅広い知識が要求される点です。特にメガソーラーほどの規模となると、多種多様な機器を取り扱うので、例えば異なるメーカーの異なる機器を組み合わせたり、通常は設置しない設備を組み込んだりすることもあるので、それぞれがどのような影響を受けるのかなどについても検証しておかなければなりません。想定外の問題点など、私たち試験担当だけでは解決できない場合には、設計担当に相談して対処していくこともありますが、社内にはいろいろ分野のエキスパートがいるので心強いです。さまざまな技術を学び続けるのは大変ですが、その都度新しい知識を吸収できて、自分の知識やスキルが広がるのも楽しいです」。
設備すべてを一つひとつ見ていくので手間と時間はかかりますが、地道に試験を続けていくにつれて、設備がだんだん立ち上がっていくのがわかる点が、試験・試運転調整業務の醍醐味です。

作業員写真

試験項目のなかに、使用前自主検査と呼ばれる重要な試験があります。これは、メガソーラーの発電事業者が、電力を供給・販売するにあたり、実際の電力会社の系統に接続して行うもので、万が一、事故が発生してしまうと、電力会社の系統に波及し、一般の家庭や工場、道路や鉄道などの社会インフラなどにも影響しかねないほどの影響があるため、試験は、慎重に慎重を重ねて実施する必要があります。
「非常に緊張感はありますが、重要な試験を無事クリアできたときには達成感がありますね。長期間にわたって工事や試験を積み重ねていくので、すべての試験が完了し、電力供給が始まった瞬間には、私たち工事関係者はもちろん、お客様が喜んでくださるのを見るのは本当にうれしいものです」。

完成後も、お客様である発電事業者に対して、設備運用面のサポートなども行います。大型のメガソーラーは、広大な敷地が確保できる東北地方や北海道などに建設されることも多く、積雪時の除雪のアドバイスや、地域によっては台風への対策などを検討することもあります。
「メガソーラーほどの規模になると、地図でも確認できるレベルの大きさになり、発電量も1万世帯が住む街の電力をまかなえるほどの規模になります。自分が携わった設備が地図や記録に残るというのは、大きなやりがいですね。
再生可能エネルギーの利用施設は、一過性ではなく継続して長く使える施設であることが大切です。そうしたものを今後も作り続けていきたい。再生可能エネルギーの活用は日本にとって大きな命題なので、その推進役になりたいと思っています」。

安中太陽光発電所写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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