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産業分野のプロフェッショナル集団

プラントを「完成」させるラストマンたち

産業システム事業部
現地試験・試運転・調整業務

    プラント制御システムの開発から試験・試運転までを担う

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    産業制御技術部
    制御システムソリューショングループ
    製造プラント(システム制御)担当

「入社2年目で、自分が携わったプラントの稼働までを見届けることができるとは思ってもいませんでした」。
東芝プラントシステムでは、鉄、紙、食品、化学品など生活を支える製品のプラントを数多く手がけています。社内には設計部門、施工部門、試験・試運転調整部門などが別々に分かれており、通常であれば設計、建設、機器据付部門の業務が完了した後、我々の試験・試運転調整部門の業務となります。しかし、私の部門では、プラントの制御設計と試験・試運転調整業務を一貫して担当することができます。
「発電所などの大型プラントと比較するとやや小さいですが、ひとつのプラントの全てに関わることができるので、自分にとって大きな強みにもなり、成長につながると感じています」。

入社して初めて担当した案件は、ゴムの加工製品を作るメーカーのゴム精錬プラントでした。ゴム精錬とは、ゴムの使用目的に合わせて原材料にさまざまな素材を配合して練り上げ、目的に合った性能のゴムにする工程です。その工程で、熱したゴムをローラーに通して薄いシート状に伸ばす装置を担当しました。この装置のポイントは、ゴムシートが一定の張力を保ちながらライン上を流れるように、モーターを制御すること。シワを発生させずに均一な状態でシートにしていく必要があり、モーターを仕様通りに制御できなければ、品質の低下や最悪の場合にはお客様の生産計画にも影響が出てしまいます。
私の携わった業務の流れは次のようになります。「まず初めに、プラントシステムの電気回路の設計を行い、次に、制御プログラム設計を行いました。何もかも初めての経験なので、先輩たちの指導を受けながら一つひとつ開発を進め、装置が要求仕様通りに動くかどうか、何度も社内試験をしながら確認と修正を行いました。そして、装置が現地に設置された後は、実際のプラントで試運転調整を行い、装置全体の性能を一つひとつ確認しました。」最終段階でお客様の技術者の方にも立ち会っていただき、製品の試運転調整を行ったときはとても緊張しました。

作業員写真

社内の試験では問題がなくても、実際の現場では、事前に聞いていた情報とは異なっていたり、想定より難しい状況となっている場合もあります。
「想定外のことが起きても、すぐに問題点を見つけ、“こうしてみたらどうだろう”と即座に解決策を提案する先輩の姿がとても印象的で、自分も問題解決力を身に着けたいと思いました。また、その場での解決が難しい問題が発生した際に、他部門の専門知識のある人に相談したところ、解決のためのアイデアが次々と出てきたことにも驚きました。今までに蓄積された技術と知見で問題解決できることが当社の底力なのだと実感し、自分もその一員として知識と経験を増やしていきたいと思いました」。

試験・試運転調整の最後には操業立会を行いお客様に設備を引き渡します。
「設計通りに動いてくれるか、調整は万全かなど、いろいろなことが頭をよぎり、内心はとても不安でしたが、想定通りに動いた時には本当にほっとしました。1年前は大学生だった自分が、お客様とやりとりをしながらモノ作りに取り組み、先輩の力を借りながらも一つのプラントを完成させることができたことに感動し、自信もつきました。

私の部門では、設計と試験・試運転調整の両方の業務に携わることができるため、プラント全体を俯瞰して考えられることも強みです。例えば、試運転調整中の気づきなどを、次の案件に活かし、成長の糧とすることができます。
「現在携わっているのは製鉄関連のプラントで規模も大きくハードルが一つ上がるものになります。ハードルが一つ上がるたびに課題を一つずつクリアしながら、成長し続けていきたいと思います」。

製鉄写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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