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産業分野のプロフェッショナル集団

プラントを「完成」させるラストマンたち

産業システム事業部
現地試験・試運転・調整業務

    持続可能な再生可能エネルギーを未来のために

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    産業フィールドサービス部
    産業メンテナンスサービスグループ
    再生可能エネルギー(風力発電設備)担当

仕事場は、海沿いや山の上などに建てられた風車の上。東芝プラントシステムは風力発電設備のメンテナンスを担当しています。風力発電設備を安定して稼働させるため、試験・試運転調整業務に始まり、定期点検やトラブル対応、故障、部品交換などの計画・実施、エラーの調査などを行っています。
「風力発電設備の中にはPCS(パワーコンディショナー)と呼ばれる電気の直流・交流を変換する電力変換装置が組み込まれています。実は、私は入社してからいろいろな用途で使われる電力変換装置を担当してきました。それがきっかけで、風力発電設備の試験・試運転調整業務に携わるようになりました」。

作業員写真

風車は高さが約75メートル、ブレード(プロペラ)の長さが約40メートルと20階建てビルほどもある巨大なものです。発電量は1機あたり約2MW。タワーの上部には、ナセルという人が入れるサイズのユニットがあり、ブレードを回転させるためのギアボックス、発電機、PCSなどが収納された風力発電設備の心臓部で、私たちはその中で業務を行います。試験・試運転調整業務では、機器が仕様通りに動作しているか、異音がしないかなどを一つひとつチェックし、さまざまな点検・調整を行っていきます。
風力発電は自然のもつエネルギーを一定の電力に変換するために、風の向きに正対するように風車の向きや、あるいは風速によってブレードの角度を変えることで回転スピードを調整し、発電量をコントロールしているため、機械のメンテナンスもあると同時に、自然も相手にしなければならないので、難しさと面白さの両面があります。
「私が担当している風力発電所のひとつは鹿児島県の小高い山の上に位置しています。風力発電設備はわざわざ風が強い場所に建設されるものなので、業務も自然に大きく左右されます。試験・試運転調整業務で重要なのが、風力に応じて設計通りにローターの回転数や発電量が得られているかの確認です。しかし、強風時には危険のため試験ができませんし、逆に風がなくてもローターが回らず、やはり試験ができません。山は天候も変わりやすく、雷や雨天などで作業が中止になることもあるので、工程の組み替えなど柔軟な対応が大切になってきます」。
発電量は風力発電設備を所有する発電事業者の事業経営に直結するため、落雷による障害対策や夏場の高温対策など、発電設備を適切に作動させるための対策も非常に重要です。
「風力発電設備の試験・試運転調整業務や点検の面白さは、計画から必要な部品の調達、実際に現場での点検作業など、すべて自分の手でできるところです。他の発電設備などと違い、電気だけでなく、機械、制御などの技術を駆使し、現場で機器類を見ながら調整してその結果を目で確かめることができます。知識や経験もアップデートできるのもやりがいがあります」。

今後、再生可能エネルギーの比率を上げていくには、設備が正常に稼働し続けて電力をしっかりと供給していく必要があります。安定稼働ができなければ再生可能エネルギー利用への流れも進展しません。
「風力発電設備は羽が回転して発電しているところが目に見えます。これから風力発電が必要とされ発展していくには、しっかりと羽を回し続けていかなければなりません。そのためにもラストマンの役割は大きいと思います。私たちの仕事は先人の知恵を受け継いで行っていますが、さらに自分たちが試験・試運転調整業務やメンテナンスで得られた知見や情報を蓄積して、次世代への力として残していけるようにしたいですね」。

風力発電写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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