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産業分野のプロフェッショナル集団

プラントを「完成」させるラストマンたち

産業システム事業部
現地試験・試運転・調整業務

    「ラストマン」として、最後の砦の役割を果たす

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    副事業部長

「東芝プラントシステムの産業システム事業部で試験・試運転の仕事をする魅力の一つは、多種多様な業界の技術分野にチャレンジできることだと思います。私自身、ファクトリーオートメーションの分野を皮切りに、小型UPS(無停電電源装置)、電力会社向けの直流送電・周波数変換装置、半導体工場向けメカトロニクス装置などを担当し、試験・試運転業務=ラストマンを務めてきました」。
試験・試運転業務は、対象装置の仕様書と図面を受け取り、試験の手順を決めて試験要領書を作成するところから始まります。そして、実際に製品が仕様通りになっていることを検証したうえで現地に据え付けて、お客様が実際に使えるようにするための最終調整を行うという仕事です。配属されたら、東芝グループの工場などで、安全・品質の基本と、個々の装置や設備についての知識や実習経験を積み、次に現場での試験・試運転業務に携わります。

取材写真

経験が増え、スキルが上がるにつれて、さまざまなプロジェクトに参加するようになり、全体的なプランニングや安全管理、工程管理などを複合的にマネジメントするプロフェッショナルとしての力量が備わってきます。
「私の場合、異動などで担当するプラントや設備などは変わりましたが、基本的な試験・試運転の仕事の進め方や技術は大きく変わらないので、どのプラントにも現場にもすぐになじむことができました。当社の試験・試運転業務の根幹は、現在、この仕事に携わっている人たちも共通していると思います」。

東芝プラントシステムは当初、東芝グループが作る装置やプラントの現地調整・試運転を中心に対応していましたが、あることをきっかけに東芝グループ外の機器向けの試験・試運転も手がけるようになりました。
「ある電子機器メーカーが新工場を立ち上げる際に、装置・機器類やユーティリティ設備の立ち上げができる会社を探していて、当社の技術力を知る人物が“東芝プラントシステムの試験・試運転チームならできるはず”と紹介してくれたのです。急遽、上司の指示でヒアリングに行ったのですが、仕様書や図面を見て、これなら自分たちにも十分できると思いましたし、また当社の試験・試運転の技術力を信じていたので「できます」と即答しました。新しいことへのチャレンジだったので、やり遂げたときは大きな達成感がありました」。
その後も、別の電機メーカーの工場で、未経験の技術分野のプロジェクトを成功させるなど、徐々に東芝グループ外での実績も増え、新しい事業として取り組むことになりました。
「東芝グループ以外の試験・試運転組織の初代課長に任命されて責任も感じましたが、こうしたチャレンジができるのも当社の魅力のひとつです。東芝プラントシステムの試験・試運転の技術力は高く、若手の人も5年ほどで一人前の技術者へと成長していきます。ときにはお客様から、「東芝プラントシステムに」ではなく「〇〇さんに」と指名でご依頼をいただくこともあり、技術を磨くモチベーションややりがいのひとつにもなっています」。

産業システム事業部は、化学や食品などの製品を作る工場プラントや、製鉄、製紙、半導体などの大型プラント、太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー、受変電設備、蓄電池設備など多種多様なプラントの建設に携わっています。そのため、試験・試運転業務の内容もさまざまで、いろいろな経験を積むチャンスがあります。また、試験・試運転業務を超えて、設計や現場での施工管理業務なども経験し、キャリアを広げることも可能です。

「試験・試運転業務を行う私たちは、そのプラントの最終確認者=ラストマンとなります。そのため、試験・試運転の際に最も重要なのは、『客観的な立場で、自分の目で確認をする』こと。そして、『自分が見たもの感じたものについて、嘘をつかない』ことです。頑張って苦労して作ったプラントだったとしても、お客様の仕様や要求に合っていないものであれば引き渡すわけにはいきません。何か違う、おかしいと感じることがあったならば、たとえ社内の仲間であっても設計部門や施工部門と戦うこともときには必要になります。指摘することを恐れず、最後の砦であるラストマンの役目を果たす。研修の機会や日々の仕事を通じて、若い人たちに伝えていかなければならない大切なことだと考えています」。

試験・試運転中に万が一トラブルがおきれば、社会的にも大きな影響がでるような工場やプラントでの業務も多く、責任やプレッシャー、大きなリスクや難しい判断を迫られる場面もあります。
「難しい業務であってもプロジェクトの最後にお客様に引き渡し、お客様からありがとうと言ってもらえること。それがラストマンの仕事の醍醐味だと思います。次の仕事も一緒にやりましょうと言ってもらえるうれしさや、責任の大きな仕事をやり遂げたときの達成感は、何物にも代えられません。仕事を通じて人々の生活を守り、広く社会にも貢献ができる素晴らしさを、ぜひ若い皆さんと分かち合いたいですね」。

社会や産業を支える重要な仕事。それを成し遂げるために、東芝プラントシステムの「ラストマン」たちが、信頼できる仲間とともにさまざまなステージで活躍しています。

取材写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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