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ライフラインを担うプロジェクトにチーム一丸となって臨む

安全・快適な市民生活に貢献する大規模公共工事

ポンプ所 電気設備再構築工事
社会インフラ事業部

    経験したことのない大規模案件の受注に挑む

  • 社会インフラ事業部 (社営1) 若手営業担当 (入社10年目)

    社会インフラ事業部

    (社営1)
    営業担当

東京都の河川沿いには数多くのポンプ所が設置されておりますが、ポンプ等の機械設備やプラントの電気設備の再構築計画が進行中です。このうち、当社の社会インフラ事業部が取り組んでいるのが、流域内で最大規模のポンプ所のプラント電気設備工事です。
本件は東京都下水道局様からポンプ所再構築事業の一環として発注された工事で、当社は、受変電設備、運転操作設備、監視制御設備等の更新工事を、機器調達から現地施工、試運転調整までを受注しました。本工事は当社で力を入れている、EPCC事業※2として認定し事業を進めました。

※2 EPCC事業:Engineering(エンジニアリング)、Procurement(調達)、Construction(建設)、Commissioning(試運転)

下水処理場イメージ写真

「公共事業の工事案件は、入札価格だけで受注業者が決められるものや、技術提案と入札価格との総合評価で決められるものなどさまざまです。今回の工事は、入札価格で決められる一般競争入札として公告されましたが、どんな企業でも入札に参加出来るわけではなく、お客様から企業に対する一定の実績要件が示されており、それらを保有し、お客様に認められた会社しか入札することはできません。今回、当社は入札参加に向け、過去の施工実績と、技術を保有する現場の技術者を選任することで参加資格を得ました。
同時に、社内の技術部門とも連携して、お客様から提示されている図書や仕様書を読み込み、仕様・工程の検討、工事物量・材料などの価格やリスク等を検討して社内原価を算出します。
次に営業部門は、予定価格を推測し、予定価格以内で入札する必要があります。また最低制限価格も設けられているため、安ければ安い程良いというものでもありません。いくらで設計価格を組まれているかを過去の実績値等から推測し、その価格が社内コストに見合うものかを判断しながら、入札価格を決め込んでいき、厳格な社内の決裁を受けたうえで入札価格を決定します。
電子入札システムで入札投函を行った結果、お客様の予定する価格内で当社が1位価格となり、受注することができました。これが受注までの大まかな流れです」と言うのは、本件で営業を担当するメンバー。入社以来約10年間にわたり、数々の上下水道工事案件に携わり、さまざまな経験を積んできました。

イメージ写真

「入社2年目から3年間は実習のために(株)東芝へ出向し、元請について勉強しました」。当時、当社では、(株)東芝が受注したプロジェクトの電気工事と試験調整部門を担当する「機能分担事業」が業務の主流でしたが、数年前よりお客様から直に受注し、機器調達からお客様に引き渡すまでの全ての責任を担うという「元請事業」にも力を入れるようになっています。そのためには、入札の仕組みをきちんと把握しておく必要があります。「実習では、東京都下水道局様の工事を担当している部署に配属され、さまざまな案件に関わらせてもらいました。入札に参加するうえでどういうことがポイントになるのか、徹底的に教え込まれ鍛えられましたね」。実習後、当社事業部に戻ってからは、神奈川県や栃木県など東京都以外の自治体や、法人案件も担当。数年前からは元請事業の営業を任されるようになりました。そうして着実に実績を重ねてきましたが、本件では今までにはない緊張感があったと言います。「当ポンプ所は、設備の規模では非常に大きなポンプ所です。私がこれまで携わった案件に比べると10倍以上。こんな大きな案件に出会う機会はなかなかありませんから、絶対に受注したいとの意気込みと緊張感をもって取り組みました」。スケールの大きなプロジェクトでは、受注するまで一切気を抜くことは出来ません。「例えば入札資格取得に必要な『入札参加申請』という申請書類。これに一つでも不備があれば、どれだけいい仕事ができるという自信があっても、その時点で失格となってしまいます。また、入札公告や発注図書に記載されている情報から、お客様が何を求めているかを読み取り、当社の技術力でそれに対応することができるか、この工事に大きなリスクは潜んでいないかなどを一つずつ詰めていきます。そのため、これだけ大きな案件だと関わる部署も多く、工事期間も長いため、検討すべき項目が膨大。予算の組み立ても、正直、容易なものではありませんでした」。入札公告が出てから入札投函するまでの期間は、非常にタイトなスケジュールのため、関係各所との打ち合わせを急ピッチで行い、社内の取りまとめを行ってきました。それだけに、念願叶って受注したときの喜びはひとしお。営業担当にとって大きな自信になりました。
「公共事業は金額がものすごくシビア。でも、私たちの税金をもとに行われる工事ですから、それも当然のこと。限られた予算のなかでいかに良いものを提供できるかが私たち営業の腕の見せどころです」と語る営業担当。それにはまずお客様の立場に立って考えることが大切と言います。「社内のベテランの方等に相談することで、私だと気づかない技術的なことやお客様目線での設備運用や考え方なども教えてもらい、吸収した上で、お客様と協議することを心掛けています」。
これまでにない大規模案件の受注という大役を終えても、月1回の定例会議に参加するほか、設計変更などの協議・対応に奔走、現場の声を聞きながら新たな提案をお客様に対し積極的に行なっています。「現場を中心に業務が動いている今も、私が本プロジェクトの一員であることに変わりはありません。工事に関わるみなさんと今後もしっかりとタッグを組み、先々に起こりうるであろうことを想定しながら、本件が無事に竣工するまで、引き続き全力でサポートしていきます!」と力強く語る営業担当。プロフェッショナルな知識をお持ちのお客様が相手の折衝は、決してたやすいものではありませんが、失敗も含め、ここで培った経験は、今後の活動の大きな糧になると確信しています。そして、そんな自身の経験が、後輩たちにとっても良い見本になればと、さらなる意欲をのぞかせました。

  • このコンテンツは、2021年に取材・製作しました。

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