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ライフラインを担うプロジェクトにチーム一丸となって臨む

安全・快適な市民生活に貢献する大規模公共工事

ポンプ所 電気設備再構築工事
社会インフラ事業部

    電気設備の試験調整業務に使命感を持って臨む

  • 社会インフラ事業部 (社FP) SEL(試験調整責任者)(入社25年目)

    社会インフラ事業部

    (社FP)
    SEL(試験調整責任者)

工事や機器据付が進むにつれて業務が活発化するのが、立ち上げ試験や試運転業務を担当する試験調整担当です。「試験調整とは、現場に設置された電気設備が正常に動作するのか、実際に機械を動かし確認する仕事です。上下水道施設の場合、バルブやポンプなどの設備機器が、新しい制御盤で仕様通りに動くかどうか確認します」と語るのは、入社26年目のベテラン試験調整担当。入社直後から上下水道関連プラントの試験調整に携わり、現在は試験調整責任者(以下SEL)としてメンバーの指導に当たっています。
試験調整は最終確認を行う業務で、ケーブル工事などすべての工事が終わってから現場に入ることが通例ですが、本件では工事着工と同時に現場入り。「設備の再構築をスムーズに行うためには、現場がどういう状況にあるのか把握しておくことが大切です。今回のような大規模な更新工事の場合、早い段階から現場に入って既設設備を確認するほか、定例会議にも参加して工事の流れを認識し、自分たちのスケジュールに反映させています」。

点検イメージ写真

本ポンプ所で設置されているポンプ台数は全部で17台。通常は5台程度が一般的なので、その多さは群を抜いています。このうち当社が更新を請け負うポンプは全部で4台。それでも試験調整箇所は膨大な項目となり、現場では4名の試験調整員がそれぞれの業務に奮闘しています。「当現場の配置人数は少ないですが、2チームに分かれて作業しながら、進捗状況にあわせて臨機応変に人数を振り分け、1人で何役もこなしながら、効率よく業務をこなせるよう工夫しています」。
また、再構築工事の場合、稼働中の設備を止めて作業することは、市民生活に影響が出る恐れがあるため、極力避けなければなりません。そこで既設設備を動かしながら新しい設備に移行させる方法を取っていますが、それでもどうしても止めざるを得ない場面も出てきます。「お客様には事前に状況をご説明し、ご協力いただけるよう依頼します。万一不適合が発生した場合は、市民のみなさんに多大なるご迷惑をおかけしてしまいますので、設備停止計画を十分に検討し、できるだけ短時間で作業完了できるように計画を練って慎重に業務に当たっています。お客様も当社が計画した作業の安全性をご確認の上、工事の進捗にご協力くださっているので、信頼を裏切ることのないよう最善を尽くして臨んでいます」。
公共工事は工期が決まっているので、終盤に近づくにつれ慌ただしさを増していきます。工事全体の遅れは、最終工程である試験調整で吸収することが求められるため、試験調整員の緊張は最高潮。現場の緊迫感も高まります。「そうした状況下で取り返しのつかないミスをしないよう、事前の安全教育にはことのほか力を入れています。経験の浅いメンバーは、現場の隅々まで連れて回り、どこにどんな危険が潜んでいるか、まず視覚から理解させます。また、ちょっとした不注意で他人を傷つけてしまう可能性があることを、事例を挙げて具体的に説明しています」。そうして試験員全員の安全意識を向上させることが、SELが果たすべき大きな役割だと考えています。

イメージ写真

日々の努力が実って、試験調整業務は当初の予定通りに進み、切替工事も順調に進んでいます。先行していた工事の関連業務も、来年1月いっぱいで終われる目処がつきました。「私がこの現場に入って3年になりますが、その間、お客様との打合せや会議を通じて、お客様の望まれていることがより具体的にわかるようになりました。お客様もこちらの工程をご理解いただいているので、長時間機械を止めていただきたいという難しい要望に対しても、設備の運用を調整し応じてくださいます。こうしたことはお客様との関係が良好でなければできないことです。そんな関係性を築けたことが、今回一番の収穫だと感じています」。「TPSCという会社の看板を背負う責任を常に感じている」というSELですが、これだけ大規模な工事を無事に終わらせるためには、当社以外の工事会社の協力も不可欠です。この案件は「協力会社を含めて、チームプレーで取り組んだ工事」だと語ります。
「私はこの現場に限らず、課内でも後進の教育を担当しています。まだまだ試行錯誤の段階にありますが、ひとつだけ確かだと思うことがあります。それは、工事が終わったときの達成感を体験することが成長のカギだということです。いろいろ苦労はあったけれど、無事に終わることができたという喜び、これこそが人を大きく前進させるのではないかと実感します。公共のプラント工事の場合、試験調整は少人数で対応するので、その分、感じるやりがいも倍増します。後進にはそうした経験をひとつでも多く積み重ねながら、自身のステップアップにつなげてもらいたいと思っています」。今回の工事も「お客様にご満足いただくのはもちろん、後進たちにとっても大きな飛躍のきっかけになれば」と、期待を込めて語ります。

施設イメージ写真
  • このコンテンツは、2021年に取材・製作しました。

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