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新たな工事への果敢な挑戦で若手技術者の育成にもつなげる

横浜美術館改修工事(非常用自家発電設備更新工事)

公共施設向け設備工事
社会インフラ事業部

    知識と経験を総動員して最前線をバックアップする

  • 社会インフラ事業部

    社会インフラ事業部

    社会インフラ建設部
    建設第二グループマネージャー

今回の工事では、3つの新しいことにチャレンジしたいという思いでこの案件の受注に手を挙げました。
「第一は、これまでメインで手がけてきた受変電設備だけではなく、新たに発電機設備の工事にも業務を拡大すること。第二は、横浜市という官公庁の業務を請け負うことで、お客様の幅を広げていくこと。そして第三は、若手に今回のような新しい工事を経験させること。そのために、ベテラン技術者と若手を組み合わせて現場に常駐させ、社会的責任のある大きな工事を任せて、若手のスキルアップを図っていきます」。
通常は、東芝グループが受注した案件の据付工事を担当しており、元請として業務を請け負うのは初めてのケースです。工事計画に始まり、「非常用自家発電システム」として、発電設備だけでなく、自動始動盤・発電機盤など周辺機器もすべて当社が設計・製作したうえで据え付け、配管・配線や最後の試験、試運転調整まですべて行ったうえでお客様に引き渡すというEPCCの流れ全てを行うため、重い責任も負います。また当社の配下には、協力会社として電気工事担当と発電機工事担当の合計2社が入っています。
「工事部門のリーダーとして、このプロジェクトのスタート時から、営業部門とともに受注落札の可能性や、自分たちが手がける価値があるかどうかを検討し、受注してからは施工するにあたって、現場代理人や監理技術者をはじめ担当するメンバーを任命して、プロジェクトを推進してきました」。

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工事の受注後は工程表、計画書、要領書、施工図面などの作成に着手。書類作成の数なども桁違いに多いため、工事をすぐに着工するには事前に準備しておくことが重要です。グループマネージャーとして、メンバーが作成するスケジュールや工程に関して、内容をチェックしながら進めてきました。現場と同時並行で機器の設計と製作も進められました。今回の工事の中でも大きなイベントとなったのが大型機器の搬入・据付工事で、これまであまり経験がなく、今回の搬入では運搬ルートが長くリスクも高まるため、事前に他の業者との綿密な調整作業を行って搬入計画を作成。また、搬入方法に関しても本社側で繰り返しレビューを行ってサポートしてきました。
「搬入当日はもちろん現場に立ち会いました。重量物である機器の搬入作業では、万全の安全対策を施さなければ事故発生の危険が増大し、現場で工事を行う他社の作業者を第三者災害に巻き込まないかという恐れもあります。しかし、事前の入念な準備によって搬入と据え付けが無事に完了し、この工事で最も危険なパートはクリアできたことで、大きく胸をなでおろしました。そして何よりも、若手メンバーが現場代理人をしっかりと務めている姿に、感慨深いものを感じました。計画、製作、輸送管理、搬入管理、工事管理、試験という一連の流れを、若手現場代理人が経験できるというのは、チャンスが広がったという点で大きな意味があります。さらに、当社も機器製作から搬入まで手がけるような会社になったという思いとともに、今後もどんどん手がけていきたいと強く感じました。この工事で最も重要な品質管理はこれからが本番です。2023年2月に予定されている発電機の試運転時に、トラブルなく無事にシステムが稼働できるようにしたいと考えています」。

未経験の業務に挑戦する意欲をもつ人材を抜擢して、フォローしながら成長を促して、未来ある若手を育成するのがグループマネージャーの役割です。その一方で、忙しい現場を背後で支え、現場に過度な負担がかからないようにコントロールもしています。今回の現場は官公庁の工事であるため土日祝日は休業となり、少ない稼働日数の中で多くの業務をこなさなければなりません。そこで本社側でできる作業は引き取って、現場の業務負担を減らす工夫を行ってきました。また本社から安全パトロールを行うことで、現場を別の視点から見ていくことも重要です。現場は作業員の命を預かっているのでしっかりと安全を確保し、労働時間削減と両立させることは、当社にとって大きなテーマでもあります。ITの導入も着々と進めています。この工事でも一例として、タブレットで撮影した現場の施工状況などの写真を、リアルタイムで社内のサーバーにアップすることで、本社のベテラン技術者が助言できたり、他の工事や今後に活かせるようにする試みにも取り組んでいます。さまざまな取り組みを通じて、若い技術者がやりがいをもち、モチベーション高く業務に取り組める職場環境を整えていくこと。その点は当社が非常に大切にしている部分です。
「部下が初めて案件にチャレンジして、成長する姿を見られるのも大きな喜びです。現場に来ると、どんどんできていると達成感がある。予算管理も現場で行っていること、また、予算管理も含めて安全も品質も労務管理まで手がけることが、大変だけどやりがいがある。そして目標を達成したときの快感を、彼らが味わえるようにしていきたいですね。官公庁の工事では竣工後にお客様からの評価点が付けられ、それが次の受注にもつながるため、会社としても無事故無災害で竣工し、継続して案件に携われるようにしていきたいという想いで工事に邁進しています。お客様から「よくやったね、東芝プラントシステムさん」と言われるのが、担当者には何よりの励みになるもの。社内の注目度も高いプロジェクトであり、竣工までにはまだまだ大変な面も続きますが、メンバーたちが20年30年後に、自分たちが手がけたと胸を張れる工事にしたいと思っています」。

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  • このコンテンツは、2022年に取材・製作しました。

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