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管理部門と開発部門のコラボがユニークなシステムを生む

フリーアドレス用座席抽選システムの開発

産業システム事業部
社内向けシステム開発

    フリーアドレスを成功させるシステムを企画

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    産業企画部 管理グループ
    プロジェクトリーダー

東芝プラントシステムは、2021年12月、3拠点に分かれていたオフィスを集約し、ラゾーナ川崎東芝ビルに移転することになり、あわせてフリーアドレス方式が導入されることになりました。
コロナ禍でリモート勤務が定着したことにより出社率が下がり、必要なフロア面積は以前のおよそ3分の1程度まで減少。新オフィスは旧3拠点のフロア面積よりも狭く、確保できる席数も限られます。そこで、全員分の固定席を確保するのではなくフリーアドレスにすることで、オフィスの稼働率を適正化し、さらには、これまで接することがなかった社員同士が、偶然近い席に座ることなどによってコミュニケーションの機会を生み出し、新しい価値の創造につなげたいという考えもありました。
しかし、この大きな方針転換に社内では戸惑いもありました。チームの座席が離ればなれになって、誰がどこに座っているのかわからなくなれば、コミュニケーションが希薄になり業務効率が落ちるのではないか。上司や先輩、後輩が離れて座ると教育が行き届かなくなる。誰がどこに座ったのかがわからないと、コロナ感染防止対策にも支障がある。さまざまな意見があるなか、 「産業システム事業部では、さまざまな課題をクリアしたうえでフリーアドレスを実現するためにはどうすれば良いか、オフィス移転を担当する管理グループで話し合った結果、システムを活用して解決できないかという話になりました」と話すのは、管理グループ所属で、このシステムを企画したプロジェクトリーダー。
当時すでに、フリーアドレス化オフィス向けの座席管理システムなどがオフィス家具メーカーやIT系企業などからリリースされていましたが、いずれも一長一短あり、自分たちが求める条件や機能を満たすものはありませんでした。そこで、同じ産業システム事業部内でシステム開発業務を行っているメンバーに相談。「産業システム事業部は、オフィスや工場など企業向けのウェブシステム開発などを事業として行っているので、その技術を活用すれば、使いやすくて条件にもあった『痒い所に手が届くシステム』ができるのではないかと考えました」。

モニター写真

フリーアドレス導入で最大の課題は、毎回同じ席に座るようになって席が固定化したり、役職者が上座、若手が下座などといった従来の席の考え方を忖度したりして、『新たなコミュニケーションによりオフィスの創造性を高める』という目的が妨げられること。しかし、管理グループが毎日人手を割いてコントロールするわけにもいきません。人手を介さずに座席をうまくシャッフルし、ランダムに座席が決まるようにできないか。そこで、その問題を解決するために出されたアイデアが、出勤した際に、どの席に座るかを抽選で決める『座席抽選システム』です。開発にあたって重視したのは、とにかく手軽に抽選ができること。社員コードの入力や、条件を選択するような操作は省きたい。そこで、従業員が必ず持っている社員証をリーダーにタッチするだけで抽選ができるようにすればいいと考えました。
「フリーアドレスにマイナスイメージを抱く社員もいるなかで、新しいシステムが無機質なものではなく、朝の出社時に、何か、会社に出勤して働くことが楽しくなるような工夫はできないかという点も重視したポイントでした。抽選方式であれば、『今日の席はどこかな?』と楽しめるのではないか。抽選で『当たり』が出るまでの間のワクワク感にならって、従業員証をリーダーにタッチして抽選結果が表示されるまで、あえて一瞬タイムラグを挟む演出も取り入れました」。
そのほか、抽選で決まった席を変更したい場合もあるだろうと考え、3回まで再抽選できるようにしたいなど、さまざまなアイデアを開発メンバーに投げかけ、相談を進めました。

一方で、もう一つ課題となったのは開発スケジュールです。新オフィスで社員が心機一転してスタートを切る初日。その始業と同時にこの『座席抽選システム』もスタートすることが決定しましたが、残り1カ月半という短期間で開発し、無事に稼動させることができるのか。
「結論から言うと大成功。社内で開発したメリットを最大限に発揮することができました。リリースまで日程の余裕はありませんでしたが、同じ事業部内なので、何かを決めなければならないときには管理グループと開発チームがパッと集まってディスカッションし、ブラッシュアップして形に落とし込むことができました。何か相談ごとがあればすぐ話しに行けるし、言いたいことも言えます。そして、何よりも毎日使っているユーザーが同じ事業部内の人たちなので、直接「いいね」、「面白いね」と言ってもらえるのは、本当にうれしいです。
『アイデアをカタチにしよう』と挑戦させてもらえる事業部であったこと、それを短期間で実現できたことは、本当に良かったと思っています」。

メンバー写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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