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管理部門と開発部門のコラボがユニークなシステムを生む

フリーアドレス用座席抽選システムの開発

産業システム事業部
社内向けシステム開発

    社内にある要素技術を組み合わせて開発

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    施設建設部 施設通信グループ
    開発チームリーダー

「最初にこの話を聞いて、すぐに『当社がすでに保有している色々な技術を組み合わせれば実現可能だね』という話になりました」と話すのは、産業システム事業部 施設通信グループの開発チームリーダーです。既存技術を応用するとはいえ、開発期間は3カ月程度、テスト期間も含めて移転の数カ月後にリリースできれば。それが当初、開発チームが思い描いていたスケジュールでした。ところが、提示された納期はオフィス移転初日。カットオーバーまで2カ月を切っていました。
「それは無理だというが正直なところでした。システム開発は人数を増やせば納期が短縮できるというものではないので、通常であれば2、3カ月を要するシステムを1カ月間で完成させるのは不可能です」。
とはいえ、いったん依頼された仕事を「できない」と断るのは、開発担当としては本意ではありません。期限内に実現するために何か方策はないか。解決策を模索するなかで、管理グループと開発チームの間で検討して出した結論は、必要な機能に優先順位をつけて、どうしても必要な機能だけを移転初日にリリースし、プラスアルファの機能はその後順次追加していくことでした。最優先事項である座席抽選機能とその結果を表示するデジタルサイネージを「フェーズ1」として先行リリースし、管理機能や検索機能などについては「フェーズ2」として後から追加することに決め、開発をスタートしました。

看板写真

産業システム事業部は、一般産業の企業をお客様として、工場向けのIoTなどをはじめとする各種システムのほか、工場・オフィスビル・学校などで使用されるセキュリティシステムなど、さまざまなシステム開発を手がけています。システム開発のプロフェッショナル集団として、日頃からお客様に対してさまざまなソリューションを提供しています。たとえばキャンパス向けソリューションでは、学生証(ICカード)を利用した入退室のセキュリティ認証や証明書発行などのシステムを提供しています。そのほかにも社員証を利用した出退勤管理や入出場管理、プラント工事などで使用する施工管理システム、オフィスや商業施設向けのデジタルサイネージなどさまざまシステムを提供しています。今回の『座席抽選システム』では、これまで手がけてきた実績のなかから、ICカードによる認証、セキュリティ、Web系システム・ソリューション、デジタルサイネージなどの技術を応用することにしました。
管理グループと開発チームでディスカッションを重ね、社員証をリーダーにかざして抽選を行い、座席が決まるまでの流れを検討し、システムの仕様を決定していくなかで、ユニークなアイデアも生まれました。それは、座席を表示する際に鉄道の路線名と駅名を利用することです。数字やアルファベットだけで座席を表したのでは、感覚的にわかりにくい。そこで、本社に隣接するJR川崎駅を走る京浜東北線と南武線の駅名を使えば、位置関係も直感的にわかりやすく、通勤や外出で利用するので親しみも湧くのではないか。技術者だけでは思いつかない発想に、大いに刺激も受けたといいます。

「すでに保有している要素技術を活用することで、比較的短期間で開発することができました。抽選方式やコロナ禍でも密にならないような座席の配置、誰がどこに座ったかの着席履歴など、アルゴリズムやデータベースの蓄積、またデータの取り出し・出力方法などについても検討を重ねて管理グループの要望をすべて実現し、産業システム事業部ならではのシステムが構築できたと思います」。
開発メンバーやプログラマーにとっても、自分自身が製作者であり、かつ、エンドユーザーでもあるので、仕様や要望も非常に明快で、スムーズに開発することができました。
「今回の『座席抽選システム』によって、社内に保有する個々の要素技術が、組み合わせ次第で新しいソリューションになることを再認識できたのは大きな収穫です。それが社内向けシステム開発を通じて実証できたのが、会社にとっても非常に大きな意義があると考えています」。

メンバー写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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