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管理部門と開発部門のコラボがユニークなシステムを生む

フリーアドレス用座席抽選システムの開発

産業システム事業部
社内向けシステム開発

    組織の枠を越えて想定以上の結果を出す

  • 社会インフラ事業部

    産業システム事業部

    施設通信グループ
    開発担当

システムの稼働初日、管理グループと開発チームのメンバーは通常より早く出勤しました。実は、移転作業などの都合があり、当日までシステムのセットアップやテストを実施することができなかったのです。
「システム稼働の初日は、我々にとっても新しいオフィスで仕事をする初日です。新しいオフィスに集合して、サーバの梱包を解いてシステムをセットアップするところから始まりましたが、勝手も分からない環境の中での準備はいつも以上の緊張感がありました。従業員が出社する前に、サーバを不具合なく立ち上げ、各機器を接続しなくてはなりません。万が一に備えて、手書き用の出社台帳と、抽選を行うためにビンゴのセットを持ち込みました」と開発担当は笑います。幸いなことにセットアップをしてテストが終わるまで、出社する社員はおらず、『座席抽選システム』は無事にカットオーバー。初日を白星で飾ることができました。出社して初めて利用した従業員たちからは、「簡単」「わかりやすい」「楽しい」といった声があがりました。まさに想定通りの反応に、メンバーは喜び合いました。

オフィスイメージ写真

『座席抽選システム』は、その後もメンテナンスを要するような大きなトラブルもなく、安定的な稼働を続けています。開発もフェーズ2に入り、誰がどの席にいるかの検索機能や、同じチームや先輩後輩を近接した席に配置する機能などが、次々と付け加えられていきました。誰がいつどの席を利用したのかという履歴も、すぐに検索することができるため、たとえば忘れ物があった場合なども、探して持ち主に知らせることが可能です。同じビル内のグループ会社からの見学者も多く「非常に良い」という評価を得ています。また、保有技術を活かしたスピーディな開発が評価され、『座席抽選システム』は社内の技術表彰も受賞しました。
フリーアドレス導入から約1年が経過し、『仕事に合わせて働く場所を選ぶ』スタイルも浸透しつつありますが、従来の固定席に慣れ親しんできた世代と、コロナ禍前後に入社してリモート勤務やフリーアドレスしか知らない世代とでは、フリーアドレスに対する意識や感じ方にも違いがあります。その点は、システムの導入ですぐに解決できる問題ではないことも事実であり、時間をかけ、お互いの意識合わせを行っていく必要があるのかもしれません。

「今回、自分自身が利用者の立場になったこともあり、大事なのはユーザー目線だと実感しました。商品というのは商いができる製品であって、お客様のメリットにつながらないものは売れません。
開発側の自己満足で終わらせることなく、あくまでお客様の利益を生むようなニーズを具現化するのが大事だと考えています」。
オフィス移転の準備作業で多忙ななか、短期間でシステムを完成できたのは、もともと要素技術を多く有していたことに加えて、管理グループと開発チームが「使いやすいよいものを作ろう」と知恵を出し合い、ディスカッションを重ねたチームワークの賜物だと言えそうです。
「これまで開発設計部門だけで仕事をしてきましたが、ふだんは開発と関係のない管理グループと一緒に同じプロジェクトに携わったことで、今まで考えもしなかった取り組みができたことは大きな成果だと思っています。管理グループが制作したマニュアルは本当にわかりやすく、素晴らしい出来上がりになっています。たとえば、技術者がインターフェイス画面を作ると、どうしても機能優先になって、制御盤の表示や操作卓のスイッチの画像を並べ、見た目も無機質な画面にしてしまいます。しかし今回はかわいらしいキャラクターたちが現れて、とても新鮮に感じました。説明書も技術者が作成すると固い文章でとっつきにくくなりがちです。いちいち読まなければ理解できない取扱説明書ではなく、もっと感覚的、直感的にわかるような、本当にわかりやすいものにする必要があるということを再認識し、とても勉強になりました。今回の経験を活かし、これからも引き続き協力していけたらよいと思っています」。

メンバー写真
  • このコンテンツは、2023年に取材・製作しました。

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