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やりたいことをカタチにする、だからおもしろい!

お客様の思いを「カタチ」にする技術者たち

産業システム事業部
設計・施工管理業務

    「スペシャリスト」より「ゼネラリスト」として「社会の役に立つ仕事」を

  • 産業システム事業部

    産業システム事業部

    産業建設部
    電源設備第二グループ
    発電設備設計・施工管理担当

 「配属初日、『ようこそ!』という歓迎の言葉の次に言われたのが『ところで、パスポート持ってる?』でした。「なぜそんなことを聞くのだろう」と思ったのですが、半月後にはフィリピンへ出張し、現地で仕事を教わっていました。そのときは驚きしかありませんでしたが、今振り返ると、あの頃は本当に楽しかったです」そう話すのは、発電設備建設の設計施工管理に携わる入社30年のベテランエンジニア。
 工学部機械科を卒業し、入社から現在まで国内外で発電分野の業務に携わってきた彼は、現在、若手社員たちが目指すエンジニアとなっています。
 国内外でさまざまな経験をしてきましたが、なかでも印象深いのは、フィリピンにある日系企業の工場での自家用発電設備工事です。
 発電機1つの大きさがバス1台分にも相当し、それが3〜10台並ぶ大規模なもので、しかも同じ工業団地内の別々のお客様向けの2案件が同時進行。「担当者は、所長である先輩と若手の僕の2人だけ。2人で2カ所の現場のすべてを仕切らなくてはなりません。電気工事だけでなく施工管理も自分の仕事だと気づき、日々勉強して覚えました」。もともと自動車やオートバイのエンジンが好きだったので、「最初の仕事がディーゼルエンジンの発電機だったのは幸運でした。おかげで興味深く取り組めました」と、戸惑いよりも原動機に関わる楽しさがあったと話します。
 入社6年目に、初めて現場所長として駐在したのもゆかりのあるフィリピンで、日本人は自分一人だけでした。精密機器であるハードディスクの製造工場でディーゼル自家発設備の防振基礎構造を担当しました。ディーゼル発電機というのは、車のディーゼルエンジンを巨大化したようなものなので、どうしても振動が発生します。しかし、同じ敷地内の工場では精密機器を製造するため、振動は大敵です。そこで、発電機を載せる基礎と、発電所の建物の基礎を切り離す(縁切り)というアイデアで振動を防ぎ、問題を解決しました。
 「日本人はひとりだけでしたが、現地のスタッフ、作業員たちを指揮し、無事に完成させることができました。完成した発電機に、いけにえとしてヤギを捧げる風習には驚きましたが、それも異文化ならではの貴重な体験です」。

社員写真

 「かつて新人時代に据付工事を担当したディーゼル発電機を、別の企業に移設することになったのですが、その移設先が先ほど話した初めて現場所長を担当したときのお客様だったのです。まさか自分が据え付けた発電機を基礎から取り外し、さらに縁のある発電所へ設置することになるとは思いもしませんでした」。
 何十トンもある巨大なエンジンを解体して基礎から取り外し、約10km先の新しい発電所へ移動し、また据え付けて稼働させるには、緻密な工事計画と管理が必要です。
 「新人時代に担当者として所長の指示に従っていた自分が、13年後に工事の全指揮を執る立場となり、その間に学んできたさまざまな経験と知見を財産として、それを活かすことで、無事に完遂することができました。達成感とともに自分自身の成長を実感することができ、さらなる高みを目指そうと思いました」と、運命的な経験を振り返ります。
 お客様の事業拡大にともない、当初はポツンと建っていた発電所の周辺に次々と工場が増築・新築され、第2発電所、第3発電所ができ、空き地だった敷地内に建屋が密集していく姿を見ると、「お客様の事業拡大と自分の成長が重なり、必要とされていることに喜びを感じました」と話します。
 「僕らの仕事は『スペシャリスト』ではなく『ゼネラリスト』。当社が専門とする電気はもちろん、配管や機械設備、設計や施工、計装や調整、現地調整などさまざまな分野が関わり合うので、どれについても精通していなければならないからです」と、エンジニアとしての自信とプライドに胸を張ります。

 目の前にある原動機に注視していた新入社員時代の視点が、お客様の工場全体を俯瞰する視点へと広がり、さらに最近ではプロジェクトを通して、世界規模にまで及んでいます。
 「プロジェクトの全体を見る立場になり、発電所建設ついて現地の自治体や省庁、国の行政機関との調整にもかかわるようになり、さらに広い視野が必要になってきました」。
 発電所を完成させれば終わり、ではなく、例えば発電所で使用する燃料を海外から輸入する際の海上輸送に関わる事項や港湾、税関の手続きなど、建設後の運用をお客様にお伝えするのも仕事となり、さらに幅広い知識が要求されますが、
 「新たな視点や知識を得るのは面白みがあると思っています。東芝プラントシステムはいろいろなことにチャレンジができる会社です。だからこそ、いまの僕があると思っています。何より…」と、身を乗り出し、「電気を作る仕事は、社会インフラの主幹です。誰かが作らないと電気はないし、発電所を作らなければ、機械を動かすこともできません。僕らは社会の役に立つ仕事をしているのです」。

 最近では、太平洋上に浮かぶパラオやソロモン諸島といった島しょ地区の発電所建設など国家レベルのプロジェクトや、電気を利用する側の工場などのお客様だけでなく、現地の発電公社、電力会社との仕事などにも対応しています。
地球規模でインフラを作り、社会や生活を支え、役に立つために、これからもチャレンジは続きます。

社員写真
  • このコンテンツは、2024年に取材・製作しました。

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